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上の図は十九路盤での序盤戦。まずお互いに隅に石を置き、そしてその石を拠点に辺に向かって伸びていく。黒は上辺ふたつの「星」を占め、白は右下小目から小ゲイマジマリ。左下は白がちょっと妙な打ち方を下ので取り敢えず無視することにする。
序盤戦。まずこのように隅の方から石を置いていくのが碁の常識(定石、というほどのものではなく、ごく一般的な常識だ)。もちろんプロは深い読みに基づいて初手を天元に置いたりもするが、まあプロでも一般的には隅の方から打っていく。
上の図で中央が広く開いていて、中央に先着すれば中央を地として確保できて有利に進むのではないかと考える人もいる。
しかし石を並べて中央で二目囲う手数と、隅で二目囲う手数、そして辺で二目囲う手数を考えてみて欲しい。右の図のように、隅では4手で済むのに対し、辺では6手、中央で二目囲うためには10手必要になる。
明らかに隅で地を囲う方が簡単だ。そして囲碁は黒と白が交互に石を置くゲーム。のんびり中央で地を囲おうとしているうちに、相手は次々に大場(局面的に重要なポイント)に先着することとなってしまう。私レベルの碁だと1手、2手の出遅れはどうとでもなってしまう(悲しいことに)が、それなりの打ち手同士の勝負では1手の遅れが勝負を決することもある。
そんなわけで、初心者のうちはとにかく隅にできる地を大事にすることが基本中の基本となる。
しかし。隅の地を囲うことだけに注力していれば良いというほど、碁は単純なゲームではない。そして冒頭に記したキーワード「地と勢力」の話が出てくる。
たとえば左図。黒は「隅の地」を囲っている。しかし白は黒を押さえ込んでいるような様子になっている。黒はもうこの形から中央に進出することはできない。狭い中で「俺の土地だもんね!」と喜んでいるしかない。
しかるに白はこれから中央に向けて力強く地を開拓していくことができる。いくら中央の地が囲いにくいといっても、左図のような形になればさすがに白優勢。これが「中央に向けての勢力」だ。
最初のうち。この「勢力」をなかなか有効に活用できない。何度も言うが、中央の地というのは囲いにくい。いくら「勢力」を広げたところで、それを「実利」に繋げることができない。よって囲えばすぐ地になる隅に固執することとなる。
しかし。私、個人的には最初は隅に固執する碁でも良いのではないかと思っている。隅というのは囲いやすく、効率的に囲めるということは広い地を囲うことができる。それなりの強さの囲碁ソフトになら、隅を守るだけで勝てるようになる。
そこで「隅の大事さ」をマスターしてから、やや強めの囲碁ソフトなどと対局し、そして「勢力」の大事さを学習していけば良いのではないだろうか。「4隅囲ったのに負けた」というショック(これはかなりショックだ)から、「勢力」というものが何かをじっくりマスターしていけば良い。
但し。私は「隅」に固執することから「勢力」を意識するようになるまで、ブランクがあるとは言え、半年ほどの時間が必要だった。1月〜3月の三ヶ月をハッピーマンデーで学び、「隅を守る」碁はそれなりに打てるようになった。そしてさほど強くない囲碁ソフトと対戦してほぼ勝てるようになった。
しかし「手段対局IV」(コーエー発売・私のお気に入りの囲碁ソフト)を相手にすると、相手のレベルを最低にしても数十目差で負けてしまっていた。隅は取れているのに大差が付く。面白くないのでしばらくほったらかしていたりした。
しかしとある本(タイトルを忘れたので次回紹介する)を読み返して、なんとなく「勢力」が分かったような気になった。すると手段対局の最低級には勝てるようになった。終局後の様子も、隅の方に陰険に固まった形ではなく、なんとなく新聞などで見るプロの終局図に近くなったような気がする。
入門書に、「布石の段階から隅にばかり固執するのは陰険な碁と言われます」なんてことが書いてあった。言われてみれば私の性格はかなり陰険な気がする。
あるいは「陰険」ではない人は、最初から地と勢力のバランスを見据えた進み方が正しいのかもしれない。ただ私の進み方も、勝つ喜びをマスターして、実戦(と、言ってもゲームが相手だけれども)で壁に当たるという方式で、さほど悪くはなかったかななどと思っている。
「俺は陰険じゃねー!」と思う方は、私の説など信用せず、入門書を参考にして欲しい。勉強を始めて2、3冊目に手に取る本には「地と勢力」のことが書いてあると思う。
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