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2003年2月12日 ◆ 「負けること」 −フリー対局−

フリー対局。

教室に着くと、期待の新星(1月22日の記事参照)Sさんがひとり座っていた。「この期を逃すまじ」と対局申し込み。「何子置きますか?」に彼女はあっさり六子置いた。う〜ん、六子というのは私もあまり打ったことはないな。でもまぁこちらが強引に申し込んでいるのでそのまま対局。

で、六子だとさすがに辺への展開も難しい。基本的に少なくとも隅のひとつは取らないと勝負にならない感じ。相手のSさんも勉強熱心な方なのできちんと大場は押さえて私の配石を制限しているし…

で、本来なら取れないはずの隅を強引に奪取(笑)。ただ彼女の「勘違い」があまりに明白だったので(泣く泣く(笑))奪取した隅をお返しして(相手の石を置き直してあげて)継続。たんたんと終局して彼女の十数目勝ちだった。

隅の死活は本当に奥が深い。

碁を始めた頃はあまり死活を意識せず、それなりに広く隅を取り合って局が進行する。「相手の隅を攻める」ことの難しさはなんとなくわかるので、初心者同士ではあまり死活の問題は生じない。次第に、「攻める」楽しさを覚えてくると初歩の死活問題が生じる。この段階では「生きる形」を知っているか否かが勝敗の分かれ目。詰め碁問題集を眺めたことがあるかどうかで勝敗が決まるだろう。Sさんはまだ詰め碁の経験があまりないらしく、この「生きる形」がよくわかっていないようだった。そんな相手に強引に隅を取っては私が嫌われる(笑)。「こういうときは眼形を意識して置いた方が良いですよ」と優しいフリをして隅をお返ししたのだった。

Sさんとはもう1局打ち、今度は五子局。隅を強引に殺しに行けば六子でも「勝負」にはなりそうだけど、それでは彼女も面白くあるまいということで、もうちょっと布石などの楽しみが残る五子局。ここでも彼女は素直な配石で良い勝負。「こういう勝勢の時にはこういう手にも気をつけましょう」ということで(単に勝ちたかった(笑)?)、二隅を殺す(爆)。結局この二隅もお返しして、今回は持碁。

一局目に私に隅を殺されて、ちょっと変に守るところがあったのと、駄目場の多い碁になると石の置き方に混乱してしまうところ、それからヨセでの先手の取り方がまだわかっていないなど弱点はあるけれど、着眼はいい。インケンな私の碁に負けず頑張って欲しいもの。


次にはこれまで打ったことのない男性と対局。そんなに棋歴はないみたいだけど、よく勉強していて結構力を付けている様子。弟子が白番で対戦して負けたそうだ。

で、一応相手の方に黒番を持ってもらって対局。彼の布石は三連星。前にも書いたが三連星は私が採用を諦めた布石。三連星は完全に勢力志向の布石なので地に甘くなる。相手の荒らしに対する対応が非常に難しいのだ。

私はと言えば、相手の三連星にすぐにはかからずこちらは低い中国流。白番で三連星・中国流などの布石を採用するのもおかしな話だとは思うけれど、同じくらいの実力の相手にはよく機能する(笑)。前にも書いたように、中国流の布石は初級者相手には多大なプレッシャーを与えるので、ここを攻めさせているうちに相手の模様を荒らせば勝負になると判断している。

私の中国流に構えると相手は上辺の星。三連星対中国流になるとこう打ってくる人が多い。私は中国流最大の大場である下辺の星。相手は続いて天元。うむ、武宮氏の三連星解説本を読んで勉強しているに違いない(?)。

そこからは私が下辺の星から連絡して相手の星にかかり相手が受けて、、、と展開。一段落したところで相手の鶴翼の中央を荒らす。大模様を張ったはずなのに形勢が悪化してきたと判断してきた彼は中国流の模様を荒らしにかかる。

これもよくある展開だけれど、三連星に比べて低く構えている中国流は荒らしが難しく、守備も比較的易しい。相手が「適当に荒らして出て行く」という気持ちならば、きちっとまとめてこちらの模様を地化する。相手が頑張ってくるのならその石を殺しにかかる。ここで彼は頑張ってしまい、ちょっと逃げ出しに失敗して殺されてしまった。

こうなってしまうとあとは私のペース。中国流の模様は地化しているので、あとは相手の模様を荒らせば勝負は終了。とりあえず中央はいつでも荒らせるように顔を出しておき、下はハサミツケなどの手筋で相手を混乱させる(笑)。「ぜんぜんわからんっ」「こまった!」「次に打つポイント候補を5つにまで絞ったんだけど…」とぼやく彼(笑)。

そう、この辺は対応を知っているかどうかの問題。「サルスベリ」(英語人はこれを「フラミンゴ・レッグ」と呼ぶらしい)という技も対応を知らないと相手に何十目も地を荒らされてしまう。この辺は何度かやられるうちに対処方法がわかってくる。

結局相手の方が困っているうちに時間となり打ち掛け。

こちらの勝因は、三連星の模様に入っていったときにあまり地を固める攻め方をされなかったこと。これで中央はいつでも荒らせるという安心感が生まれた。三連星は模様の中に相手を入らせて、小さく生かすときの生かし方が問われる布石。相手が辺で生きるなら中央への道は遮断してしまわなければいけない。

それから相手の方が中国流の性質をあまり知らない様子だったこと(まあ私たちくらいのレベルでいろんな布石に対する対処法なんて研究している人はいないけれど)。こちらの模様に入ってきたとき、彼は「荒らす」のではなく「地を奪いに」きている様子だった。そのような戦い方は中国流が歓迎するところだ。

あとは細かい手筋なんでどうでも良い。なかなか勉強している感じの人だった。

ただインストラクター(アマ五段くらいらしい)の人が別のところで言っていたけれど「僕は相手が三連星だとそれだけで勝ったと思うんですよ」と思う人もいる。私の弟子が彼と打ったときは、彼の模様に入り込む勇気がなくて負けたんだと思う。三連星は確かに初級者相手にはそのようなプレッシャーを与えることができる。しかし同レベルの打ち手と打つようになれば、相手は必ず荒らしてくる。相手の荒らしを「喜んで」受けられるようになればまた強くなることだろう。攻撃やシノギの勉強をするためにも下手と打つときには三連星を捨てて見るのも良いかもしれない>彼。

尚、弟子が聞いていたらしいけれど、彼は「久しぶりに負けた」と言っていたらしい。おそらくはここまでは「三連星におびえる」相手だったんだと思う。こうして荒らされて敗勢になってしまうのは良い勉強になるんじゃないかと思う…。と、棋歴7ヶ月の私が言うのもおこがましいか(苦笑)。ごめん>彼。でもまた打ちましょう。


弟子。

最初は攻撃好きな下手の方と白番で対戦。最近の私があまり攻撃によって混乱させる打ち方をしないせいもあってか、相手の攻撃に怯えてしまう(笑)。一応最後には相手の無理を咎めて大石を殺して勝利したようだが敗勢だった。うむ、もう少し攻撃に対する耐性をつけないと駄目かな>弟子。

続いて私は見ていないけれど、別の人に三子おかせて対戦。この勝負は危なげなく勝ったようだが、インストラクターの方に「あなたも薄いですねぇ」と言われていた。弟子は髪が薄いのでその話かと思った(爆)。でも、「前田さんに似てきたんじゃないですか」という言葉で碁の話だと認識。

う〜ん(苦笑)。でも最近の私たちは(生意気なことに)相手に石を置かせて対戦することが多い。とくに弟子の場合は相手に模様を構えられると入り込んでいくことができない。それを避けるために薄いのを知りつつ先に手を付けていってしまうんだよな…

でも例えば孔令文先生などと打つときは、こちらが五子置いているのに、相手の石が薄く見えることはあまりない。本当の実力者と、なんちゃって実力者の違いが出ているんだろう(笑)。いつかは相手に石を置かせてもアツク打てるように頑張ろうぜ>弟子。

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